近年は、CMや広告等のキャストとして、タレントではなく“声優”を起用するケースが増えています。
この記事では、声優をキャスティングするメリットと費用相場・注意点を解説していきます。
声優のキャスティング方法もまとめているので、CM制作等をお考えの企業様はぜひ参考にしてみてください。
声優をキャスティングするメリットとは
まずは、CM・広告等に声優をキャスティングすることで期待できるメリットについて詳しく見ていきましょう。
幅広い層へアプローチできる
近年はeスポーツの台頭やVODサービスの普及等により、これまで“子供向け”とされてきたゲーム・アニメのカルチャーが一般にも広く浸透しつつあります。
例えば、2019年に第1期が放送されたテレビアニメ「鬼滅の刃」は、ある企業が実施した人気調査において10代~70代の全てで3位以内にランクインする等、社会現象とも言える高い人気を誇りました。
こうした背景から、キャラクターに命を吹き込む“声優”の知名度も大きく向上し、現在ではアイドル並みの人気を集める声優も少なくない状況です。
CM・広告等にこれらの人気声優をキャスティングできれば、世代を問わず幅広い層へアプローチすることができるでしょう。
声優のファン層に認知してもらえる
一般的なタレント・モデル等と比較して、声優にはコアなファンがつきやすい傾向にあります。
人気の高い声優はもちろん、新人声優に多くのファンがついているケースも珍しくないため、効果的なキャスティングができればこうしたファンを一気に取り込める可能性も期待できるでしょう。
またコアなファンは関連メディアの視聴や商品の購入等にも積極的な場合が多く、長期的なコラボレーションやタイアップ企画でも成果を得やすいというメリットがあります。
SNSでの拡散が期待できる
近年はSNSの利用が活発な声優も多く、百万人以上のフォロワーを抱えている声優も少なくありません。
フォロワー数の多い声優は、それだけSNSでの発信力・影響力も大きいため、SNSでの情報拡散を狙いたい場合や、連動企画を成功させたいといった場合にも効果的なキャスティングだと言えるでしょう。
声優の出演料・費用相場とキャスティング時の注意点
続いて、声優のキャスティングにかかる費用の相場と、キャスティング時の注意点をチェックしていきましょう。
声優を起用する場合のコストは?
声優のキャスティングにかかる費用は、起用する声優のキャリアや起用期間・媒体等でその都度変わるため、明確にいくら、と設定されているわけではありません。
そのため、キャスティング会社を利用する際は複数社で見積もりを行い、近隣エリアの費用感を掴んでから依頼先を決めるようにしましょう。
また以下に大まかなキャスティング費用の相場を紹介しているので、こちらも参考にしてみてください。
<起用媒体別>
アニメ・吹き替え | 15,000円~45,000円程度/1本 |
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ゲーム | 20,000円~30,000円程度(15ワード程度の場合) |
ラジオ | 5,000円~30,000円程度/1本 |
ナレーション | 30,000円~300,000円程度/1本 |
<キャリア別>
一般的な声優の場合 | 1クールあたり60~150万円程度 |
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人気声優の場合 | 1クールあたり300~400万円程度 |
なお、音声収録と別に顔出しも必要となる場合は、上記の金額に100万円程度が上乗せされます。
とは言え、タレントの場合は700~1,000万円程度、司会者クラスになると1,500万円程度が1クールあたりの相場となるため、声優のキャスティングにかかる費用は比較的安いと言えるでしょう。
注意点①事前に資料を準備しておく
声優のキャスティングを依頼する際は、以下のような資料・条件を提示できるように準備しておきましょう。
- セリフの台本や原稿案
- 声やキャラクターのイメージ
- 納品形式・納期
- クレジット表記の有無 等
キャラクターのイメージやセリフの内容等を事前に共有しておくことで、より理想的なキャスティングを実現しやすくなります。
また全体のボリュームはキャスティングの費用を算出する際の目安にもなるため、見積もりを依頼する時点である程度詳細に伝えられるようにしておきましょう。
注意点②肖像・著作物の取り扱いについて
声優をキャスティングする際は、肖像権や著作権といった権利関係の取り扱いにも注意が必要です。
声優の場合、本人の写真や動画には肖像権、制作した音声データ等には著作権が認められ、いずれも無断で使用したり契約と異なる用途で使用したりすると賠償請求を受ける可能性があります。
また賠償請求による金銭的な損失だけでなく、SNSでの炎上やイメージダウン等にも繋がるリスクがあるため、事前に使用目的や期間を明らかにし、その範囲内のみでの使用を徹底するということが大切です。
起用方法別の特徴とメリット・デメリット
ここからは、声優をキャスティングするための方法とそれぞれのメリット・デメリットを解説していきます。
所属事務所へ直接交渉する
声優をキャスティングする方法として、声優の所属事務所へ直接オファーをかけるというやり方が挙げられます。
この場合、事務所との交渉や契約手続き、また収録スタジオやスタッフの手配等を全て自社で行うことになり、手数料等のかからない低予算でのキャスティングを実現できる点がメリットです。
ただし、これまでに声優のキャスティング実績がない企業の場合、事務所に問い合わせしても返答を後回しにされたり、そのまま無視されたりする可能性もゼロではありません。
そのため、声優の起用経験がない場合や、キャスティングに関するノウハウを持っていない場合は避けた方が良い方法だと言えるでしょう。
クラウドソーシングサービスを利用する
クラウドソーシングとは、企業・個人がインターネット上で不特定多数の人に業務委託を行う仕組みのことです。
クラウドソーシングサービスには新人声優やフリーの声優等が登録されているケースが多く、仕事を求めている声優に対して企業から直接オファーをかけられるのが特徴です。
クラウドソーシングの場合、声優本人と直接交渉できるため事務所の意向に左右されないというメリットがあります。
一方で、声優のスケジュール調整や管理を自社で行わなければならないといったデメリットもあるため、長期的・継続的な依頼を考えている場合は事務所所属の声優を起用した方がスムーズだと言えるでしょう。
音響制作会社へ依頼する
音響制作を行っている会社では、声優のキャスティング業務を兼任しているケースも珍しくありません。
声優のプロダクションを運営する音響制作会社等も存在するため、こうした企業に依頼すれば声優のキャスティングと音声データの制作を一括で依頼できるというメリットがあります。
ただし、音響制作会社の場合は対応範囲がアニメーション・ゲーム・映画の吹き替えといった特定のジャンルに限られているケースが多く、CM・広告等のキャスティングには適さない可能性があります。
そのため、より幅広い用途で声優を起用したいという場合は、次に紹介する「キャスティング会社」への相談を検討してみると良いでしょう。
キャスティング会社へ依頼する
キャスティング会社は、依頼企業と声優事務所との間に入って橋渡しを行う会社のことで、企業の要望に沿った声優の提案や交渉・契約手続きの代行等を主な業務としています。
仲介手数料がかかるため他の方法と比較してコストが高くなりやすいものの、事務所所属の声優や知名度の高い声優を起用できる可能性が高く、CM・広告等へのキャスティングに効果的です。
またキャスティング会社には専門知識を持つスタッフが在籍しており、権利関係や報酬の支払い等に関する取り決め・管理を一任できるというメリットもあります。
キャスティング会社なら声優以外にも幅広いカテゴリの著名人を起用できるため、例えば「声優×お笑い芸人」のような複数ジャンルのキャスティングを行いたい場合にもおすすめです。
記事まとめ
- 声優をキャスティングすることで、幅広い層へのアプローチやSNSでの情報拡散等を期待できる
- 費用は案件ごとに変動するため、複数社で見積もりをとって相場を把握してから依頼先を決めることが大切
- 声優をキャスティングするなら、豊富な知識とノウハウを持つキャスティング会社への依頼がおすすめ
次の記事では、キャスティング会社に依頼するメリットをより具体的に解説しています。
また声優のキャスティングに強いおすすめの代行会社も紹介しているので、合わせてチェックしてみてください。