広告やイベント等にタレントを起用するうえで欠かせない存在が「キャスティング会社」です。
キャスティング会社の主な仕事内容は“タレントの手配”ですが、初めてタレント起用を行う際には「芸能事務所とどう違うの?」「どちらに依頼すれば良いの?」と疑問を感じるかもしれません。
そこでこの記事では、キャスティング会社の具体的な仕事内容と、芸能事務所との役割の違いについて解説していきます。
キャスティング会社を利用するメリットや依頼時に気をつけたいポイント等もまとめているので、タレント起用を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
キャスティング会社の仕事内容とは?

まずは、キャスティング会社の基本的な仕事内容と、芸能事務所との役割の違いについて解説していきます。
キャスティング会社の基本的な仕事内容
キャスティング会社は、CM・広告やイベント等に出演するタレントを選定・手配する専門業者のことです。
いわゆる“キャスティング”とは、企画のコンセプトや予算に応じて最適な出演者を探し出し、契約から現場対応までの一連の調整を行うという業務全体を指す言葉で、具体的には以下のような仕事内容が挙げられます。
- 企画内容の整理と候補タレントの選出
- 芸能事務所との連絡・出演交渉・オーディション調整
- 契約書作成や肖像権の管理、二次使用の確認
- 撮影・イベント当日の立ち会いやトラブル対応 等
なお、キャスティング会社とタレントが直接契約を結んでいるわけではなく、提携する芸能事務所やプロダクションから企画に沿う人物を提案するというケースがほとんどです。
特に大手のキャスティング会社は複数の芸能事務所とパートナー関係にあることが多いため、幅広い候補者の中から最適な人材を選出できるといった特徴があります。
キャスティング会社と芸能事務所の違い
芸能事務所(プロダクション)とは、タレントや芸能人などが所属し、所属タレントの育成・売り込み・スケジュール管理などのマネジメントを行う企業のことです。
キャスティングの依頼窓口となることもありますが、基本的には所属タレントを対象とした活動に限られます。
また、芸能事務所ごとに扱っているジャンルが異なるため、例えばモデルとお笑い芸人を一緒に起用したいといった場合はそれぞれの事務所へ相談しなければなりません。
一方キャスティング会社は、依頼企業の要望をもとに適切な出演者を横断的に探せるという特徴があります。
例えば希望タレントのジャンルが複数に分かれている場合や、明確な人物像が定まっていないといった場合でも依頼できるのがキャスティング会社の強みと言えるでしょう。
キャスティング会社を利用するメリット

続いて、タレントの手配をキャスティング会社へ依頼するメリットについて詳しく見ていきましょう。
芸能事務所との繋がりを活かしたスムーズな交渉
キャスティング会社が請け負う仕事内容の中でも特に重要な業務の1つが、芸能事務所との交渉です。
実績のあるキャスティング会社は、長年にわたって数多くの企画を手がける中で、芸能事務所・プロダクションとの強固な信頼関係を築いています。
そのため、人気タレントのようにスケジュール調整や出演交渉が難しい人物であっても、スムーズにキャスティングできる可能性が高まります。
また一度の依頼で複数の芸能事務所と連携できるため、例えば「CMへお笑い芸人と俳優を同時に起用したい」といった要望にも柔軟に対応することが可能です。
キャスティング会社へ依頼することで、企業側が個別に交渉する手間を省きつつ、条件に合った最適な人材を素早く確保できる点は大きなメリットと言えるでしょう。
豊富な実績・ノウハウに基づいた適切なキャスト選び
多くのキャスティング会社は、タレントの性別・年齢やジャンル、また過去の出演実績といった詳細なプロフィールをデータベース化して独自に保有・管理しています。
そのため、企画の目的やターゲット層、方向性等に応じて、より効果的な人物を客観的な視点で提案してもらえるという特徴があります。
更に、過去のキャンペーンとの重複や、タレントのイメージ戦略等も考慮した「ブランド毀損のリスクが少ない人選」ができる点もキャスティング会社の強みです。
中には、話題性やSNSの影響力といった最新の評価軸をもとに、Z世代向け・インバウンド向けの提案を行うキャスティング会社もあり、広告の訴求力を高めたい企業にとっては最適なパートナーだと言えるでしょう。
業務負担の軽減やリスク対策にも効果を期待できる
タレントの起用にあたっては、肖像権や著作権の取り扱い、また契約期間や二次利用の条件等、専門的かつ煩雑な仕事内容が多数発生します。
特にWeb CMやSNS広告といった複数の媒体をまたぐ展開が必要な場合は、契約条件の明確化が欠かせません。
キャスティング会社であれば、これらの法律・契約に関する仕事内容も一括で任せることができ、法的なトラブルを未然に防げるというメリットがあります。
また報酬の支払い手続きや請求管理といったバックオフィス業務も代行してもらえるため、担当者の仕事内容や負担を大きく軽減できるのもポイントの1つです。
仕事内容で比較!キャスティング会社選びのポイント・注意点

ここからは、キャスティング会社を選ぶときの注意点や仕事内容の比較ポイントを解説していきます。
キャスティング会社によって得意ジャンルが異なる
例えば「モデル起用に強い」「インフルエンサーに特化している」「ナレーター・声優のブッキングが得意」等、キャスティング会社によって扱うジャンルや仕事内容が明確に分かれているケースは珍しくありません。
そのため、公式サイトに掲載されている過去の実績や提案事例、仕事内容等をチェックして、自社の企画とマッチするかどうかを確認しておくことは非常に大切です。
一部特化型のキャスティング会社であれば、特定ジャンルにおける深い人脈や経験値を期待できるため、より的確な提案を受けられる可能性が高いでしょう。
一方、テレビCMや地方イベント等の多岐にわたる案件を一括で依頼したい場合は、複数ジャンルに対応できる総合型のキャスティング会社が適していると言えます。
費用相場を調べてから依頼先を決める
キャスティング会社が提供する仕事内容には、出演交渉だけでなく契約管理・肖像権処理・現場対応等の多くの要素が含まれます。
そのため、見積もりを比較する際には「どこまでの仕事内容が料金に含まれているのか」「追加費用が発生するのはどのタイミングか」といった点を確認しておくことが大切です。
まずは複数のキャスティング会社から見積もりをとり、それぞれの費用感と仕事内容の違いを把握したうえで依頼するキャスティング会社を絞り込むようにしましょう。
特に初めてキャスティング会社を利用する場合は、仕事内容の詳細を明確に提示してくれるところを選ぶと安心です。
オプションサービスの充実度もチェック
キャスティングと合わせて、制作全体をサポートできる体制が整っているかどうかを確認することも、依頼先を選ぶうえでの大切な判断基準です。
最近では、以下のようなワンストップ型のサービスを展開しているキャスティング会社も増えています。
- 撮影スタジオの手配・レンタル
- オーディションの実施・運営代行
- プロモーション動画やCMの制作
- SNSアカウントの運用支援
こうしたサービスを活用できれば、広告代理店や制作会社との調整も一括で進められるため、社内リソースが限られている企業にとっては非常に大きなメリットと言えます。
また担当者との継続的な関係を築けることで、2回目以降の依頼もスムーズに進行しやすくなるでしょう。
記事のまとめ

- キャスティング会社の仕事内容は企画に沿ったタレントの選定・契約・現場対応等、多岐にわたることが多い
- キャスティング会社を利用することで、自社の仕事内容・負担を軽減しつつスムーズなタレント起用を実現できる
- 事前に相見積もりをとって費用や仕事内容を比較し、その上で希望ジャンルとマッチするキャスティング会社に依頼することが大切
キャスティング経験やタレント起用の知見がない場合でも、プロのキャスティング会社へ依頼すれば円滑にタレント起用を実現することができるでしょう。
以下の記事では、豊富な実績を持つおすすめのキャスティング会社をまとめているので、より具体的にキャスティング会社を比較・検討したい場合はぜひチェックしてみてください。