CMや広告、イベントにタレントを起用したいとき、「どこに相談すればいいのか分からない」という企業担当者は少なくありません。
そんなときに窓口となるのが「キャスティング代理店」です。
この記事では、キャスティング代理店とはどのような会社なのか、その仕組みと、実際にタレントを依頼する際の流れについて解説します。
キャスティング代理店とは

キャスティング代理店とは、CM・広告・イベント・PR案件などにおいて、企業(クライアント)の要望に合わせてタレント・俳優・モデル・インフルエンサーなどの起用を仲介する会社のことです。
企業が個々のタレント事務所に直接連絡を取り、条件交渉からスケジュール調整までをすべて自社で行うのは負担が大きいため、こうした業務をまとめて代行してくれる存在としてキャスティング代理店が活用されています。
主な仕事内容

キャスティング代理店が担う業務は幅広く、主に以下のような内容が含まれます。
- 案件の内容やイメージに合うタレント・インフルエンサーの候補提案
- 複数のタレント事務所への出演交渉・条件確認
- ギャランティ(出演料)や契約条件の調整
- スケジュール調整・撮影日程の確保
- 契約書類の作成サポート
- 撮影・収録当日の立ち会い・進行サポート
単に候補者を紹介するだけでなく、契約が成立するまでの交渉や、当日の現場対応まで一貫してサポートしてくれる点が特徴です。
キャスティング代理店の仕組み

キャスティング代理店がどのように成り立っているのか、関係者との関係性を整理してみましょう。
収益の仕組み
キャスティング代理店は、主に以下のような形で収益を得ています。
- 企業(クライアント)からの手数料:起用が決定した際に、企業側から仲介手数料(コミッション)を受け取るケース
- タレント事務所からの手数料:案件を紹介した対価として、タレント事務所側から一定の手数料を受け取るケース
多くの場合、出演が決まったタレントのギャランティの一定割合(相場としては10〜20%程度が目安とされることが多い)が、手数料として発生する仕組みになっています。
ただし、料率や負担する側は代理店・案件によって異なるため、依頼時に確認しておくことが大切です。
関係者との立ち位置
キャスティング代理店は、企業(広告主)、広告代理店、タレント事務所という三者の間に立つ役割を担います。
- 企業・広告代理店側からは「予算やイメージに合うタレントを見つけてほしい」という要望を受ける
- タレント事務所側からは「所属タレントの出演機会を広げたい」という意向を受ける
このように、双方のニーズをマッチングさせることが、キャスティング代理店の中心的な機能です。
キャスティング会社との違い
「キャスティング会社」と「キャスティング代理店」は、ほぼ同じ意味で使われることが多い言葉ですが、企業によっては以下のように呼び分けている場合もあります。
| 呼称 | 主な特徴 |
|---|---|
| キャスティング会社 | 映画・ドラマなど制作サイドに近い立場 |
| キャスティング代理店 | 広告・CM分野での仲介業務を専門とする立場 |
呼称の違いよりも、実際にその会社がどの分野を得意としているかを確認することが重要です。
タレントに依頼する方法(流れ)

実際にキャスティング代理店を通じてタレントを起用する場合、一般的には以下のような流れで進みます。
ステップ1:問い合わせ・ヒアリング
まずはキャスティング代理店に問い合わせを行い、案件の概要(商品・サービス内容、起用したいイメージ、予算感、放映・掲載時期など)をヒアリングしてもらいます。
ステップ2:候補タレントの提案
ヒアリング内容をもとに、代理店側から案件に合いそうなタレント・インフルエンサーの候補が複数提案されます。
過去の実績や好感度調査の結果などを参考に、候補を絞り込んでいきます。
ステップ3:事務所への打診・条件交渉
候補が固まったら、代理店がタレント事務所側に出演の打診を行います。スケジュールの確認やギャランティの交渉もこの段階で進められます。
ステップ4:契約締結
出演条件がまとまったら、契約書を取り交わします。
使用範囲(放映期間・媒体・地域など)や、NG事項、独占契約の有無なども、この段階で明確にしておくことが重要です。
ステップ5:撮影・収録・当日対応
契約後、実際の撮影や収録が行われます。
キャスティング代理店の担当者が当日立ち会い、進行のサポートを行うケースも多く見られます。
案件の規模にもよりますが、問い合わせから契約締結まで数週間〜1ヶ月程度かかることも珍しくないため、余裕を持ったスケジュールで依頼するのがおすすめです。
キャスティング代理店に依頼する際の注意点

タレントのランクによってギャランティは大きく変わるため、予算の目安を最初に共有するとスムーズです
広告の掲載期間や媒体(テレビ・Web・SNSなど)によって条件が変わるため、事前にすり合わせておきましょう
代理店によって強みのある業界(美容・食品・IT・スポーツなど)が異なるため、自社の案件と相性の良い代理店を選ぶことが大切です
口頭でのやり取りだけでなく、契約書の内容(独占契約の有無、NG事項、キャンセル規定など)を必ず確認しましょう
会社にはどんな系統がある?

キャスティングに関わる会社は一つの業態にとどまらず、得意分野によっていくつかの系統に分かれています。
依頼先を選ぶ際の参考にしてください。
広告代理店系の会社
大手の広告代理店の中には、広告制作の一環としてタレントの起用まで一貫して担当する会社があります。
広告全体の企画から関わっているぶん、ブランドイメージとの整合性を重視した提案を受けやすいのが特徴です。
芸能事務所系の会社
芸能事務所自体が、自社所属タレントを中心にキャスティングの窓口を兼ねているケースもあります。
特定のタレントを軸に企画を組みたい場合に相性の良い系統です。
PR会社系
広報・PR活動を専門とする会社が、その一環としてタレントやインフルエンサーの起用を仲介する場合もあります。
SNSでの情報拡散や話題化を重視した提案を得意とする傾向があります。
製品プロモーション特化の会社
特定の製品カテゴリ(美容・食品・アパレルなど)に強みを持ち、その分野の広告案件に特化した会社も存在します。
業界特有の規制や表現ルールに詳しい点がメリットです。
代表的な会社の例

国内でキャスティングや芸能マネジメントに関わる会社としては、以下のような株式会社が知られています。
| 会社名 | 事業内容・特徴 |
|---|---|
| 株式会社セント・フォース | アナウンサー・ナレーターのキャスティングを中心に展開している会社です。 |
| 株式会社アミューズ | 幅広いジャンルのタレントが所属する、大手芸能プロダクションの株式会社です。 |
| 株式会社ホリプロ | 長年の実績を持つ総合芸能プロダクションで、俳優からタレントまで幅広く抱える株式会社です。 |
| 株式会社ケイダッシュ | バラエティからドラマまで、多様な分野で活躍するタレントが所属する株式会社です。 |
| 株式会社研音 | 俳優を中心としたマネジメントに強みを持つ株式会社として知られています。 |
記事まとめ

キャスティング代理店は、企業とタレント事務所の間に立ち、案件に合った人材の提案から契約、当日の進行までを一貫してサポートする存在です。
仕組みとしては、企業またはタレント事務所からの手数料によって成り立っており、双方の要望をすり合わせながらキャスティングを進めていきます。
初めて依頼する場合は、予算感や使用範囲を明確に伝えたうえで、自社の案件と相性の良い代理店を選ぶことが、スムーズなキャスティングにつながります。










