テレビ離れが進む中、YouTubeやSNSを中心とした「Web CM」の需要が急速に高まっています。
Web CMはテレビCMと比べて柔軟性が高く、効果測定も行いやすいことから、今やマーケティング戦略に欠かせない選択肢の1つと言えるでしょう。
この記事では、Web CMの概要と制作費の内訳、またコストを抑えるためのポイントを解説していきます。
出演する芸能人に支払うギャラの相場や、ギャラ決定時の注意点等も紹介しているので、Web CMの制作を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
Web CMの概要とジャンル別のギャラ相場をチェック

まずはWeb CMの概要とテレビCMとの違いについて詳しく見ていきましょう。
Web CMにおけるギャラの決め方やジャンル別のギャラ相場も紹介しているので、合わせてチェックしてみてください。
Web CMとは?テレビCMとの違い
Web CMとは、YouTube等の動画サイトや各種SNS上で配信される動画広告のことです。
テレビCMと違い放映枠の制約がなく、短尺・長尺を問わず自由な尺で制作できるのがWeb CMの特徴です。
またスマホ向けの縦型動画やストーリーズ広告といった多様なフォーマットに対応しており、SNSを中心とした若年層にリーチしやすい点も魅力の1つと言えるでしょう。
更に、Web CMはターゲットを絞った広告配信が可能なため、テレビCMのような全国規模でのリーチは望めないものの、少ない予算からスタートできるというメリットがあります。
近年はWeb CMとテレビCMを併用するケースも増えており、今後もさらに需要が高まる見込みです。
Web CMのギャラはどうやって決まる?
Web CMに芸能人やインフルエンサーを起用する場合は、次のような要素でギャラの金額を決定します。
知名度・フォロワー数 | 有名芸能人やフォロワー数の多いインフルエンサーほど ギャラが高額になります。 |
---|---|
契約内容 | 出演時間・契約期間・使用媒体・動画の本数等が ギャラに影響するポイントです。 |
使用範囲 | 「YouTubeのみ」「複数のSNS媒体」等、 広告運用の範囲でギャラの差が出ます。 |
撮影の有無 | 既存素材の提供か、あるいは新規撮影かによって 制作コストが変わります。 |
この他、再編集やバナー素材としての二次利用を含む場合には、その分の追加料金が発生するのが一般的です。
また単発での依頼と、複数本・複数月の契約では条件も異なってくるため、事前のギャラ交渉と契約書の取り交わしが重要となるでしょう。
Web CMのギャラ相場
出演者のジャンル別にみたWeb CMのギャラ相場は以下の通りです。
出演者のジャンル | ギャラ相場(1本あたり) |
---|---|
タレント | 500万円~1,500万円程度 |
俳優・女優 | 500万円~1,500万円程度 |
モデル | 30万円~500万円程度 |
アスリート | 50万円~2,000万円程度 |
インフルエンサー | 30万円~500万円程度 |
文化人・専門家 | 30万円~150万円程度 |
テレビCMに比べると全体的に低価格で起用できる傾向にありますが、話題性のあるタレントや影響力の高いインフルエンサーの場合、Web CMでも高額なギャラを提示されるケースは少なくありません。
そのため、芸能人をキャスティングする際はSNSでの影響力やターゲット層とのマッチ度等を踏まえ、多角的な視点で効果を検討することが重要です。
Web CMの制作費は?費用を抑えるポイント

続いて、Web CMの制作にかかる費用の内訳と、コストを抑えるためのポイントをチェックしていきましょう。
Web CMの制作にかかる費用の種類と目安
Web CMを制作する際には、出演者のギャラだけでなく、撮影・編集・運用に関わる様々な費用が発生します。
費用の内訳は制作内容によって異なるものの、一般的には以下のようなものが含まれます。
項目 | 費用目安 |
---|---|
企画構成・ディレクション費 | 10万円〜30万円 |
撮影費(カメラマン・機材・スタジオ等) | 20万円〜100万円 |
編集費(カット編集・テロップ・BGM等) | 10万円〜30万円 |
ヘアメイク・スタイリスト費 | 5万円〜20万円 |
デザイン・サムネイル制作費 | 3万円〜10万円 |
広告運用費 | 数万円~数千万円/月 |
Web CMはテレビのように高額な放送枠を購入する必要がなく、自社のSNSやYouTubeチャンネルを活用すれば配信コストをほとんどかけずに展開することも可能です。
ただし制作には一定の費用がかかるため、ギャラを含めた総額として最低でも100万円〜500万円程度の予算を想定しておく必要があるでしょう。
費用を抑えるためのコツ・ポイント
Web CMは比較的少ない予算でも制作できる広告手法ですが、以下のような工夫によってさらにコストパフォーマンスを高めることが可能です。
インフルエンサーを起用する
知名度の高い芸能人はそれだけでギャラが高額になりますが、SNSで高いエンゲージメントを誇るインフルエンサーを起用すれば、費用を抑えつつターゲット層に強く訴求できる可能性があります。
特に、フォロワー数よりも反応率(エンゲージメント)が高い“マイクロインフルエンサー”はコストパフォーマンスの面でも優秀です。
タイアップ型で交渉する
単なるCM出演ではなく、出演者のSNSアカウント等を活用したタイアップ形式のPRを提案することで、ギャラを抑えながら高い拡散力を狙うことができます。
またYouTubeやInstagramでの投稿をパッケージ化すれば、プロモーション全体の費用対効果を高めることも可能となるでしょう。
パッケージプランのある代行会社を選ぶ
動画制作会社やキャスティング会社の中には、「パッケージプラン」や「月額制プラン」といった割安のプランを提供しているところもあります。
複数本の動画制作を予定している場合は、まとめて発注した方が単価を下げられる可能性が高いため、見積もりの際に確認してみると良いでしょう。
またWeb CMは制作して終わりではなく、その後の運用でいかにターゲット層へ届けるかが重要です。
制作・運用を請け負っている代行会社に依頼すれば、配信設計までをワンストップで任せることができるため、自社業務の負担軽減にも役立ちます。
ギャラ交渉や支払いに関する注意点

Web CMに芸能人を起用する場合、ギャラ交渉や契約内容に関する確認は非常に重要なプロセスです。
トラブルを未然に防ぎ、スムーズな撮影・配信を実現するためには、以下のようなポイントを事前に押さえておく必要があります。
事前にギャラの相場を把握しておく
出演者の選定を行う前に、業界内でのギャラ相場や過去の起用事例を調べておくようにしましょう。
事前にギャラの相場感を把握しておくことで、以下のようなメリットがあります。
- 過剰な予算オーバーを防げる
- 不当な請求や割高な見積もりを見抜ける
- 交渉時の判断基準が明確になる
また、インフルエンサーの場合はフォロワー数だけでなく「エンゲージメント率(いいね・コメントの反応率)」や「フォロワーの属性」等もギャラに影響します。
そのため、実質的な拡散力に見合った費用であるかどうかを見極めながらキャスティングを行うことが大切です。
使用期間や範囲を明確にする
Web CMはテレビCMと異なり、媒体の制限が曖昧なまま契約してしまうケースも少なくありません。
後から使用媒体を追加したり、配信期間を延長したりした場合、追加料金や違約金を請求される可能性もあるため、契約時には以下の点をしっかりと明記しておくことが大切です。
- 使用期間(例:配信開始から3か月間)
- 使用範囲(例:自社YouTubeチャンネル、SNS広告、自社サイトのみ等)
- 二次利用の有無(切り抜き・再編集の可否等)
- 素材の所有権・保存期限(撮影データの取り扱い方法)
競合他社との関係性を調査する
起用する芸能人によっては、過去あるいは現在進行形で競合企業の広告に出演している可能性があります。
競合とかぶってしまうとWeb CMのメッセージに一貫性がなくなり、ブランドイメージの混乱を招くおそれがあるため、事前に以下のポイントをチェックしておきましょう。
- 最近出演した広告との業種かぶりがないか(例:別の住宅メーカー、通信会社等)
- SNS上での企業タイアップの履歴
- 現在の専属契約・アンバサダー契約の有無
- 特定業界とのイメージ親和性 等
キャスティング会社に依頼すれば、これらの競合リスクも事前に調査・整理されたうえで提案を受けられるため、初めて芸能人を起用する場合におすすめです。
ギャラや契約条件に関するチェックは、広告の成果だけでなく企業の信頼性にも関わる重要な要素であるため、全てのステップで明文化と確認を徹底することが大切です。
記事まとめ:キャスティングは専門会社への相談がおすすめ

- Web CMのギャラ相場は、出演者の知名度や媒体、起用期間等の条件によって大きく変動する
- 制作費にはギャラだけでなく撮影・編集・配信費用等も含まれており、全体で数十万円〜数百万円が相場
- 芸能人を起用する際は契約条件やスケジュール調整、競合関係の確認等、事前の準備が重要となる
Web CMは費用対効果に優れたプロモーション手法ですが、初めての起用ではトラブルも起こりがちです。
安心して進めるためにも、実績のあるキャスティング会社に相談するのがおすすめです。
以下の記事ではキャスティング会社の役割や依頼メリット等を解説しているので、芸能人の起用でお悩みの方はぜひチェックしてみてください。